運転免許の種類とそれぞれの運転できる車両まとめ
「普通免許しか持ってないけど、どのサイズまで運転できるのかな?」
「タクシーやトラック、バスの運転手になるにはどの免許を取ればいいんだろう?」
「面白そうだから普通免許以外の免許も取ってみたいな」
こういった疑問をお持ちの方は多いでしょう。
新しく運転手の仕事を始めたい時や免許を取る時はどの免許がどの車両を運転できるのか気になりますよね。
特にトラックやバスは車両のサイズや乗車定員が重要になりますから、詳しく知っておいた方が良いでしょう。
この記事では運転免許の種類とそれぞれの運転できる車両について解説していきます。
ぜひ、ご自身が気になる部分だけでもご覧ください。
運転免許の区分
運転免許の区分は大きく分けると以下の3つです。
・第一種運転免許
・第二種運転免許
・仮運転免許
第一種運転免許
第一種運転免許は自動車と原付を運転するために必要な免許です。
多くの人が最初に取得する原付免許や普通免許をはじめとし、中型免許や大型免許、普通二輪免許、大型二輪免許など合計10種類あります。
第二種運転免許
第二種運転免許はお客さんを運送する目的で、旅客自動車を運転する時に必要な免許です。
旅客自動車にはタクシーやバス、ハイヤー、民間救急車などがあります。
ただし、旅客自動車であっても、お客様を乗せずに回送する場合や試運転する場合などは第一種運転免許のみで運転することができます。
ややこしいものとして学校の送迎バスやホテルのシャトルバスなどがありますが、こちらを運転する際にも第二種運転免許は必要ありません。
なぜなら、これらに乗車してもお金が発生せず、自家用車扱いになるからです。
また、第二種運転免許を取得するためには第一種運転免許を取得してから3年以上経過している必要があります。
※受験資格特例教習を修了すると経歴1年以上でも取得可能
第二種免許は全部5種類です。
※道路交通法改定により受験資格緩和(令和4年5月13日)
令和4年5月13日の道路交通法改定により、第二種免許、中型免許、大型免許の受験資格が緩和されました。
受験資格特例教習を修了すると、以下の条件で運転免許試験を受けることができます。
・19歳以上(年齢)
・普通免許などの経歴が1年以上(経験年数)
受験資格特例教習については以下のとおりです。
緩和内容 | 講習内容 | 時限数 |
年齢 | 旅客自動車の運転適性に関する座学・実車 | 7時限以上 |
経験年数 | 旅客自動車の運転技能に関する座学・実車 | 29時限以上 |
(参照元:警視庁サイト)
受験資格特例教習を実施している自動車教習所はご自身がお住まいの都道府県警察の窓口に問い合わせましょう。
仮運転免許
仮運転免許とは第一種運転免許および第二種運転免許を取得しようとする方が練習で公道を運転するために必要な免許です。
また、公道を運転するためには以下の条件を満たす必要があります。
・有資格者が同乗し、指導を受けながら運転すること
・仮運転免許証を携帯すること
・仮運転免許練習標識を車に付けること
練習以外の目的で運転したり、1人で運転したりすると無免許運転として処分されるので注意が必要です。
運転免許の種類と運転できる車両
運転免許は非常に細かく分かれており、第一種運転免許で10種類、第二種運転免許で5種類あります。
ここでは、それぞれの免許と運転できる車両について解説していきます。
普通免許(第一種・第二種)
普通自動車や軽自動車などを運転できる免許です。
AT限定免許とMT免許の2つがあります。
運転できる車両、サイズは以下のとおりです。
・普通自動車
・原動機付き自転車
・小型特殊自動車
運転できる車のサイズや定員は免許取得時期によって異なります。
免許を取得した時期 | 車両総重量 | 最大積載量 | 乗車定員 |
平成29年3月12日以降 | 3.5t未満 | 2t未満 | 10人以下 |
平成19年6月2日~平成29年3月11日 | 5t未満 | 3t未満 | 10人以下 |
平成19年6月1日以前 | 8t未満 | 5t未満 | 10人以下 |
平成19年6月1日以前に取得した免許であれば、4tトラックを運転できるわけです。
しかし、交通事故の件数などの理由から改正が重ねられ、現在では2tトラックも運転できなくなっています。
準中型免許
平成29年3月12日の道路交通法改正で新設された免許です。
トラックなどの貨物自動車による交通死亡事故の削減と若者の雇用促進のために作られました。
準中型免許は中型免許と異なり、受験資格が18歳以上となっているため高卒の方でもトラックの運転手を目指すことができます。
運転できる車両、サイズは以下のとおりです。
・普通自動車
・準中型自動車
・原動機付き自転車
・小型特殊自動車
車両総重量 | 最大積載量 | 乗車定員 |
3.5t以上7.5t未満 | 2t以上4.5t未満 | 10人以下 |
平成19年6月2日~平成29年3月11日の間に普通免許を取得した方は5t限定準中型免許として扱われます。
※ここでの「5t」は車両総重量のことです。
中型免許(第一種・第二種)
平成19年6月2日に道路交通法改正で新設された免許です。
中型免許の受験資格として、20歳以上かつ普通免許、準中型免許、大型免許いずれかの経歴が2年以上であることが求められます。
※受験資格特例教習を修了すると19歳以上かつ経歴1年以上でも取得可能
運転できる車両、サイズは以下のとおりです。
・普通自動車
・準中型自動車
・中型自動車
・原動機付き自転車
・小型特殊自動車
運転できる車のサイズや定員は免許取得時期によって異なります。
免許を取得した時期 | 車両総重量 | 最大積載量 | 乗車定員 |
平成29年3月12日以降 | 7.5t以上11t未満 | 4.5t以上6.5t未満 | 11人以上29人以下 |
平成19年6月2日~
平成29年3月11日 |
5t以上11t未満 | 3t以上6.5t未満 | 11人以上29人以下 |
平成19年6月2日~平成29年3月11日の間に普通免許を取得した方は8t限定準中型免許として扱われます。
※ここでの「8t」は車両総重量のことです。
大型免許(第一種・第二種)
タンクローリーや大型バス、ミキサー車などを運転できる免許です。
受験資格は21歳以上かつ普通免許などの経歴が3年以上あることが求められます。
※受験資格特例教習を修了すると19歳以上かつ経歴1年以上でも取得可能
運転できる車両、サイズは以下のとおりです。
・普通自動車
・準中型自動車
・中型自動車
・大型自動車
・原動機付き自転車
・小型特殊自動車
車両総重量 | 最大積載量 | 乗車定員 |
11t以上 | 6.5t以上 | 30人以上 |
小型特殊免許
工場や作業所などで使用する特殊な構造を持つ車両を運転できる免許です。
16歳以上であれば、受験することができます。
運転できる車両は以下のような特徴を持つ特殊車両です。
全長 | 全幅 | 全高 | 最高速度 |
4.7m以下 | 1.7m以下 | 2.0~2.8m | 15km/h |
具体的にはフォーク・リフトやショベル・ローダ、草刈作業車などがあります。
ただし、小型特殊免許でフォーク・リフトを運転するには別途業務に関わる特別な教育を受ける必要があることに加え、積載荷重が1t未満の車両に限られます。
フォーク・リフトを運転したい人はフォーク・リフト運転技能講習修了証を取得することをオススメします。
大型特殊免許(第一種・第二種)
建設現場や除雪作業などで使用する特殊な構造をもつ大型車両を運転できる免許です。
18歳以上かつ普通MT免許を取得済みであれば、受験することができます。
運転できる車両は以下のような特徴を持つ大型特殊車両です。
全長 | 全幅 | 全高 | 最高速度 |
12m以下 | 2.5m以下 | 3.8m以下 | 制限なし |
※最高速度の制限はないが49km/h以上は危険とされている
具体的にはブルドーザーやショベルカー、クレーンなどがあります。
ただし、これらの車両を使用して、作業をする場合は別途それぞれの作業免許が必要になるので注意しておきましょう。
上記とは別に小型特殊自動車と原動機付き自転車も運転できます。
牽引免許(第一種・第二種)
自走できる車や荷台などをのせたトレーラーを牽引できる免許です。
普通免許や中型免許、大型免許など自身が運転する自動車に合った免許と合わせて、牽引免許が必要になります。
ただし、車両総重量が750kg以下の車を牽引する場合や故障車などをロープやクレーンなどで牽引する場合に限り、牽引免許は不要です。
普通二輪免許
排気量が50cc以上400cc以下の二輪車を運転できる免許です。
普通自動車と同じく、AT免許とMT免許があります。
16歳以上であれば、誰でも受験できます。
運転できる車両は以下のとおりです。
・原動機付き自転車
・小型特殊自動車
・小型自動二輪車
・普通自動二輪車
小型自動二輪車とは排気量が51cc以上125cc以下の二輪車のことを指します。
大型二輪免許
排気量が400ccを超える二輪車を運転できる免許です。
強力なエンジンパワーに加え、圧倒的な加速力をもつ大型自動二輪車は高速道路でも、長距離ツーリングでも安定感が違います。
バイクが趣味ならぜひとも取得したい免許ですね。
運転できる車両は以下のとおりです。
・原動機付き自転車
・小型特殊自動車
・小型自動二輪車
・普通自動二輪車
・大型自動二輪車
受験資格は18歳以上となっています。
原付免許
50cc以下の二輪車のみ運転できる免許です。
16歳以上であれば受験できます。
高校や大学の通学や会社への通勤などで原動機付き自転車を使う方が多く取得するイメージがありますね。
免許取得までに時間もお金もそれほどかからないので気軽に取りやすい免許です。
運転したい自動車の免許を取得しよう
運転免許において大は小を兼ねるため、大きいサイズを運転する可能性があるのであれば、最初から大きい免許を取る方が効率的でしょう。
ただし、大きい免許であるほどお金も時間もかかりますから、自分の生活スタイルと照らし合わせて必要不必要を判断することが重要です。