免許失効後、1年以上経過してしまった場合の2つの対処法
「免許失効に気づくのが遅れた」
「失効してから1年以上経ってしまった」
免許の更新はついつい忘れてしまいがちですよね。
特に仕事が忙しかったり、車をあまり運転しなかったりすると、失効に気づくのが遅れても無理はありません。
しかし、免許を失効したまま運転すると、法律で罰せられます。
そこで今回は免許失効後1年以上たった場合の対処法について解説していきます。
ぜひ、最後までご覧ください。
免許を失効したまま運転すると「無免許運転」となる?
免許の有効期限が切れているのにもかかわらず、更新せずに運転をすると「無免許運転」として検挙されます。
1年以下の懲役または30万円以下の罰金です。
さらに減点は酒気帯び運転や妨害運転と同じ25点となっています。
では、万が一、うっかり免許の更新を忘れていた場合はどうなるでしょうか?
刑法38条には以下のように記載されています。
第三十八条
1 罪を犯す意思がない行為は、罰しない。ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。
2 重い罪に当たるべき行為をしたのに、行為の時にその重い罪に当たることとなる事実らなかった者は、その重い罪によって処断することはできない。
3 法律を知らなかったとしても、そのことによって、罪を犯す意思がなかったとすることはできない。ただし、情状により、その刑を減軽することができる。
引用元:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=140AC0000000045
これを免許の更新に当てはめると、免許の失効に気づかないまま無免許運転をしてしまった場合、罰則はないということになります。
とはいえ、違反には変わりありませんから、免許運転で罰せられても異を唱えるのは難しそうです。
免許失効後、1年以上経過してしまった場合の2つの対処法
免許を執行してから1年以上経過すると、基本的には免許を最初から取り直す必要があります。
その取得方法が2つあるので説明していきます。
再び教習所に通う
文字通り再び教習所に通って免許を取る方法です。
30万円ほどのお金を払い、通学であれば3か月程度、合宿であれば2週間程度の時間をかけて免許を取得します。
以前に教習所で免許を取得した方であれば、教習の流れは理解しているでしょうし、技能と学科についても復習するような形になるため、スムーズに取得できるでしょう。
運転免許センターで一発試験を受ける
運転免許センターで一発試験を受けて免許を取得する方法もあります。
仮免許試験と本免許試験の一発試験に合格した後、教習所で危険予測講習と高速道路教習、応急救護処置講習を受けることで免許を取得します。
仮にすべてが順調に進むと、最短4日で免許を取得できます。
試験費用は以下のとおりです。(静岡県の場合)
仮免許 | 本免許 | |
申請手数料 | 2,900円 | 2,550円 |
車両使用料 | 1,450円 | 800円 |
免許交付手数料 | 1,150円 | 2,050円 |
学科試験に不合格になるとその都度、申請手数料がかかり、技能試験に不合格になると申請手数料と車両使用料が必要になります。
免許交付手数料は、それぞれの試験に合格した際に1回だけ支払います。
上記の費用に加え、本免許を取得した際には以下の費用がかかります。
普通講習手数料 | 11,200円 |
応急救護処置講習 | 4,200円 |
仮にすべてストレートで合格した場合は26,300円で免許を取得可能です。
とはいえ、一発試験の合格率は10%程度となっており、非常に難易度が高くなっています。
10回近く落ちても大丈夫と考えるか、リスクがあるから教習所に通いなおそうと考えるかはあなた次第です。
やむを得ない理由がある場合は試験が免除される
免許失効から1年以上経過していても、やむを得ない理由がある場合は適性検査と講習のみで免許を再取得できます。
ただし、免許の色は引き継ぎできません。
また、免許失効から3年以上経過すると、救済措置はなくなり、免許を最初から取り直す必要があるので注意しましょう。
免許失効におけるやむを得ない理由は主に以下の内容です。
・海外旅行
・入院
・在監
・被災
上記の内容でやむを得ない理由が終了してから、1か月以内に手続きを行なうことが免許の再交付や試験免除の条件になります。
また、パスポートや診断書、海外出張証明書などのやむを得ない理由を証明するものの提出が必要です。
更新期間内にあらかじめ更新できない理由があると分かっている場合は、それを証明する書類を用意することで更新期間前に申請することもできます。
ただし、「仕事が忙しい」「免許のハガキが届いていない」などの理由は認められないので注意が必要です。
免許の更新を忘れないように気をつけよう
免許の更新を忘れると大切な時間やお金が奪われてしまいます。
更新を忘れないためにも、住民票や免許証の住所変更はすぐに行い、ハガキが届く状態を作っておくことが重要です。
また、スマホのカレンダーアプリに更新期間を登録しておいたり、免許証を目に見える場所に置くようにしたりといった工夫も有効でしょう。
免許の更新を忘れてしまった方は、何が原因だったのかを考え、対策を練ると良いですね。