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高齢者の運転免許更新の頻度や流れ、実施内容を解説

高齢者(70歳以上)になると、これまでとは運転免許更新の頻度や流れが変わってきます。

なぜなら、高齢になると車の運転に必要な体力、視力、判断・認知機能などが衰えてきてしまい、予期せぬ事故につながる可能性が高くなるためです。

実際に、高齢者ドライバーによるアクセルとブレーキの踏み間違えによる悲惨な事件などもニュースなどで数多く報道されている通り、頭では「大丈夫、できる」と思っていても、肉体がついていけずに事故につながってしまうケースが多くなっているのです。

そのため、高齢者で運転免許を更新するためには、70歳未満の人に比べて、より客観的な目線での運転可否判断が必要になります。

この記事では、そんな高齢者の運転免許更新の頻度と流れ、実施内容などについて、くわしく解説していきます。

高齢者の運転免許更新の実施内容

令和4年5月に行われた道路交通法の改正によって、75歳未満は合計2時間の「合理化講習」を、75歳以上は認知機能検査の結果によって「合理化講習」と「高度化教習」のどちらかを受講することになっています。

また、75歳以上で一定の違反行為がある方は、運転技能検査の受検も必要です。

認知機能検査

認知機能検査は、75歳以上の高齢者を対象に行われる検査です。

75歳以上になるとどうしても認知機能が衰えてきてしまうので、それを客観的に判断するために行われます。

一方で、70〜74歳の方は、「合理化講習」からの受講になるので、認知機能検査は特に受ける必要がありません。

内容としては判断力と記憶力の状態を確認するための検査で、次表のような「手がかり検査」と「時間の見当識」の2つの検査で構成されています。

検査名 内容
手がかり再生 手がかり再生:16枚の絵を見て記憶。その後、描かれていた絵についての質問に回答します。 例:「果物の絵がありました。何でしたか?」「動物の絵がありました。何でしたか?」
時間の見当識 検査時の年月日、曜日及び時間を回答します。 例:「今年は何年ですか?」今日は何曜日ですか?」

認知機能検査の結果は点数で出てきます。

次のような判断基準で免許更新の際に受ける講習や必要な手続きが変わったりするので、十分に注意しましょう。

  • 76点以上:高齢者講習(合理化講習)を受講
  • 49〜75点以上:高齢者講習(高度化講習)を受講
  • 48点以下:医師の診断が必要。診断結果で認知症と判断された場合は免許取り消しの対象

高齢者講習

高齢者講習は75歳未満の高齢者が受講する「合理化講習」と、75歳以上の高齢者が受講する「高度化講習」の2つに分かれています。

一定の違反行為がある方は合理化講習か高度化講習のどちらかに加えて、運転技能検査も受けなければなりません。

合理化講習

70歳〜74歳の高齢者は、合計2時間の合理化講習を受ければ免許の更新ができます。

また、75歳以上でも、認知機能検査で「認知機能が低下しているおそれがない方」と判断された場合は、70歳〜74歳の高齢者と同様に合理化講習を受講して免許の更新を行います。

合理化講習の内容は「運転適正検査」と「双方向型講義」、「実車指導」の3つで構成されています。

講習名 時間 内容
運転適正検査 約30分 器材を使って、静止視力・動体視力・夜間視力・視野の検査をします。
双方向型講義 約30分 講師と高齢者がコミュニケーションをしながら講義を実施。交通ルールや安全運転に関する知識などを対話の中で確認します。
実車指導 約60分 教習所の所定コースを走り、決められた課題をクリアしていきます。主に、車間維持や速度制御、信号機のある交差点や横断歩道の通過など、基本的な技能の確認が行われます。

高度化講習

高齢者講習は、75歳以上で、かつ認知機能検査で「認知機能が低下しているおそれがある方」「認知症のおそれがある方」と判断された場合に受講しなければならない講座です。

「運転適正検査」と「双方向型講義」、「実車指導」、「個別指導」の4つで構成されています。

講習名 時間 内容
運転適正検査 約30分 器材を使って、静止視力・動体視力・夜間視力・視野の検査をします。
双方向型講義 約30分 講師と高齢者がコミュニケーションをしながら講義を実施。交通ルールや安全運転に関する知識などを対話の中で確認します。
実車指導 約60分 教習所の所定コースを走り、決められた課題をクリアしていきます。主に、車間維持や速度制御、信号機のある交差点や横断歩道の通過など、基本的な技能の確認が行われます。
個別指導 約60分 高齢者個人の特性に応じた具体的な安全指導が行われます。認知機能検査や運転適性検査の結果によって内容が変わります。

運転技能検査(該当者のみ)

令和4年5月に行われた道路交通法の改正によって、一定の違反歴がある高齢者については、免許更新の際に、高齢者講習に加えて運転技能検査の受検が必須となりました。

運転技能検査では、教習指導員と共に運教習所のコースで実際に運転し、課題を実施して、運転技能を判定していきます。

課題は以下の内容です。

  • 指示速度による走行
  • 一時停止
  • 右左折
  • 信号通過
  • 段差乗り上げ
  • その他

検査は、100点満点からの減点方式で採点され、第一種免許の場合は70点以上で、第二種免許の場合は80点以上で合格となります。

運転技能検査を受検した方は、高齢者講習での実車指導が免除されます。

高齢者の運転免許更新の頻度

70歳以下の一般運転者・優良運転者(ゴールド免許)の有効期限は5年ですが、71歳になると4年になり、72歳以上になると3年になります。

違反運転者は、年齢問わず3年です。

つまり、高齢者(72歳以上)の運転免許更新の頻度は、優良でも一般でも違反者でも3年に一度、ということになります。

高齢者の運転免許更新の流れ

70歳~74歳までの方と、75歳以上の方の運転免許更新の具体的な流れについて見ていきましょう。

70歳~74歳の方

70歳~74歳の方は、運転免許更新の際に高齢者講習(合理化講習)を受ける必要があります。

ハガキが届いたら予約する

運転免許証の更新期間満了日(誕生日の1ヶ月後)の約190日前に、「講習のお知らせ」というハガキが届きます。

これが届いたら、手元に上記のハガキと運転免許証を用意して、希望する教習所や運転免許センターに電話して、直接予約しましょう。

実施場所の所在地と電話番号は、ハガキに書いてあります。

教習所が少ない地域は、予約が取りにくくなっていますので、早めに予約するのがおすすめです。

予約日に指定場所に行って講習を受ける

予約日になったら、指定場所に行き、高齢者講習を受けます。

高齢者講習は普通車の免許で2時間、座学・運転適性検査が60分と、実車講習が60分です。

原付・二輪・小特・大特のみの方は、座学・運転適性検査60分のみです。

講習後、高齢者講習終了証明書が交付されます。

この証明書は、免許更新の際に必要なので、大切に保管しておきましょう。

なお、高齢者講習の受講に必要なものは、以下の5つです。

  • 「講習のお知らせ」ハガキ
  • 運転免許証
  • 講習手数料(ハガキに書いてあります)
  • 筆記用具(黒ボールペン)
  • 眼鏡(運転に必要な方)

運転免許更新の申請手続きをする

自治体の運転免許試験場、運転免許センター、もしくは指定警察署に行き、免許更新の手続きをします。

視力検査等の適性検査を行うため、眼鏡や補聴器が必要な方は持参しましょう。

他に持参するものは、以下の4つです。

  • 運転免許証
  • 高齢者講習終了証明書
  • 更新手数料2,500円
  • 「更新のお知らせ」ハガキ

75歳以上の方

75歳以上の方は、まずは認知機能検査を受ける必要があります。

認知機能検査により70歳〜74歳の方と同様に「合理化講習」のみで問題ないのかどうかを判断されます。

「認知機能が低下しているおそれがある」と判断された場合には、合計3時間の高度化講習を受講しなければなりません。

また、一定の違反行為がある方は、運転技能検査も合わせて必要になります。

予約から受講までの具体的な流れは次の通りです。

ハガキが届いたら予約する

70歳〜74歳の方と同様に、運転免許証の更新期間満了日(誕生日の1ヶ月後)の約190日前に、「検査と講習のお知らせ」というハガキが届きます。

ハガキが届いたら、実施場所の所在地・電話番号が記載されていますので、希望の場所に電話して、予約しましょう。

予約日に指定場所に行って認知機能検査と高齢者講習を受ける

予約日になったら、指定場所に行き、認知機能検査を受けます。

その後、認知機能検査結果通知書が交付されます。

検査結果は、認知症のおそれがあるのかどうか(認知症のおそれあり・なし)で通知され、いずれの結果でも、運転免許証の更新手続きを行うことはできますが、「おそれあり」と判定された方は、専門医の診断書の提出が必要になるので注意しましょう。

認知機能検査の持ち物は、以下の4つです。

  • 高齢者講習受講通知書(お知らせハガキ)
  • 運転免許証
  • 受検手数料(予約時に確認します)
  • 眼鏡・補聴器など運転に必要なもの

認知機能検査は、6ヶ月以内の専門医師の診断書などで免除される場合があります。

高齢者講習は、普通車の免許で2時間、座学・運転適性検査が60分と、実車講習が60分です。

原付・二輪・小特・大特のみの方は、座学・運転適性検査60分のみです。

講習後、高齢者講習終了証明書が交付されます。

この証明書は、免許更新の際に必要です。

持ち物は、以下の5つです。

  • 「講習のお知らせ」ハガキ
  • 運転免許証
  • 講習手数料(ハガキに書いてあります)
  • 筆記用具(黒ボールペン)
  • 眼鏡(運転に必要な方)

また、免許証の更新期間の満了日の直前の誕生日の160日前の日より前の3年間で、一定の違反歴がある方は、運転技能検査の対象となります。

運転免許更新の申請手続きをする

所定の認知機能検査や高齢者講習を受講した後、誕生日の約1ヶ月前に届く「更新連絡書(免許更新のお知らせ」ハガキを確認し、自治体の運転免許試験場、運転免許センター、または住所地を管轄する警察署などで更新手続きを行います。

新しい免許証が交付されたら、免許更新完了です。

運転技能検査に受からなかったら、教習所の講習を受けよう

運転技能検査は、更新期間中は何度でも繰り返し受検することができます。

したがって、一度落ちても、諦めることはありません。

もちろん、認知症など健康上の問題がある場合には安全のために免許返納などを検討する必要がありますが、特に問題ない場合には高齢者講習を受講すれば、問題なく受かるレベルです。

もし健康上問題がないのにも関わらず運転技能検査に落ちてしまったら、近くの教習所でやっている、高齢者向けの講習の受講を検討しましょう。

上池自動車学校では、高齢者講習を実施しております。

まずは、お気軽にご相談ください。

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