定年後の仕事としてタクシー運転手が人気の理由とは。実際は何歳まで採用される?
定年後の仕事としてタクシー運転手が人気を集めています。
タクシー運転手は年齢制限がないため、定年後にタクシー運転手として働きたいと考えている方も挑戦できる仕事です。
しかし、「実際のところどうなのだろうか」「年齢制限があるのでは」と疑念を抱いている方は多いのではないでしょうか。
この記事では、定年後の仕事としてタクシー運転手が人気の理由や年齢制限の実情について解説していきます。
定年後の仕事としてタクシー運転手が人気の理由
定年後の仕事としてタクシー運転手が人気の理由は、以下の7つです。
理由1:未経験でも始めやすい
多くのタクシー会社が未経験者を積極的に採用していることから、タクシー運転手は未経験でも始めやすい仕事と言えます。
実際に、全体の約7割が未経験からのスタートです。 ※1
さらに、必要な第二種運転免許の取得費用を会社が負担する制度や、充実した研修プログラムを提供する企業も多くあるため、安心して仕事を始められます。
上記のようなサポート体制があることで、未経験者でもタクシー運転手として働きやすくなっています。
理由2:普通自動車免許を持っていれば採用される
タクシー運転手になるには、第二種運転免許が必要です。
しかし、採用時に普通自動車免許しか持っていなくても、入社後にタクシー会社が第二種運転免許の取得費用を補助してくれる場合が多いです。
ただし、普通自動車免許を取ってから3年以上経過していないと第二種運転免許が取れないため、3年以上の経験が必要です。
また、一部の地域では、タクシーセンターの試験を受けなければならないことになっています。
理由3:自分のペースに合わせて仕事できる
タクシー運転手の勤務形態は、だいたい「昼日勤(1日8時間)」、「夜日勤(1日8時間)」、「隔日日勤(14時間30分のうち休憩3時間など、2日分の業務を1回で行う)」という勤務形態の仕事として紹介されていますが、実際は、自分の判断で休憩を取ることができます。
「疲れてきたな」と感じたら、「回送」表示にして、本社に「休憩」とボタン1つで伝えるだけで、休憩に入ることができるのです。
休憩時は、そのまま自宅に向かって家で休んだり、病院に行ったりもできます。
また、高齢者の増加によって、時短勤務を取り入れる会社も増えています。
勤務日の調整もしやすく、自分のスケジュールで仕事できるのも魅力です。
理由4:自分の頑張り次第で収入を増やせる
タクシー運転手の給料は歩合制です。
自分で頑張った分だけ、収入を増やせるのも魅力の一つと言えるでしょう。
厚生労働省が発表した「令和5年賃金構造基本統計調査」によれば、タクシー運転手の平均年収は419万円です。※2
ひと月で言うと約34万円で、老後の暮らしには充分と言えます。
頑張れば頑張っただけ収入を増やせるタクシー運転手は、まだまだ元気な人には頑張りがいのある仕事と言えるでしょう。
理由5:性別に関わらず働ける
タクシー運転手は、車の運転と接客ができれば男女関係なく働けます。
そのため、最近では、女性のシニアの運転手も増えています。
肉体労働のように体力を使う仕事でもないため、女性にも人気の仕事です。
理由6:年金をもらいながら働ける
タクシー運転手は、給料が月46万円を超えなければ、年金をもらいながら働けます。
月46万円を超えると超えた分の半額が年金から減額されます。
しかし、超えた分の減額は全額ではなく半額のため、もし、半額になってもいいから少しでも多く稼ぎたいという方は、46万円を超えて働くことが可能です。
理由7:肉体的な負担が少ない
タクシー運転手は、稼働時間中ほぼ座って運転しているため、立ち仕事などと比べると肉体的な負担が少ない仕事です。
ただし、腰に負担がかかりやすいため、腰痛を患っている人にとってはつらい仕事となる可能性があります。
特に身体の調子に問題がない場合は、シニアになっても十分働ける仕事と言えるでしょう。
定年後にタクシー運転手として働くって実際どう?何歳まで採用される?
定年後にタクシー運転手として働く人は、実際の調査でも増えています。
一般社団法人全国タクシー・ハイヤー連合会が発表している、「ハイヤー・タクシー業高齢者の活躍に向けたガイドライン」によれば、65歳以上のドライバーの割合は、平成29年では42.8%でしたが、令和2年では46.2%であり、年々増加しています。※3
タクシー会社は人手不足なので、60代前半のうちは採用されるケースが多くなっています。しかし、60代後半になると認知機能テストなどが加わり、70歳を超えると、大手のタクシー会社に採用されるのは難しいのが実情です。
大手のタクシー会社の定年は60歳とされていますが、ほとんどの会社は、定年後も嘱託・再雇用・契約社員などとして勤務が可能になっています。
このような職務形態の場合、定年というのはほぼありません。
また、個人タクシーであれば、定年は75歳とされているため、大手タクシー会社よりも年齢を気にせず働くことができます。
しかし、定年後に個人タクシーとして開業するには様々な条件があり、ほぼクリアできることはありません。
そのため、定年後にタクシー運転手として働くなら、60代前半のうちに大手のタクシー会社に契約社員として就職するのが、最も適していると言えます。
定年後の仕事としてタクシー運転手は魅力的!
タクシー運転手は、実際にシニアの割合も高く、約半数を占めています。
未経験でも始めやすく、自分のペースで仕事できるため、シニアに人気が高いようです。
シニアになると、収入よりも体力を考慮して仕事をした方がいいので、自分の体力に合わせて、仕事のペースを調整できるタクシー運転手は、魅力的な仕事と言えるでしょう。
※1:全国ハイヤー・タクシー連合会「タクシー業界まるわかりHAND BOOK」
※2:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」
※3ハイヤー・タクシー連合会「ハイヤー・タクシー業 高齢者の活躍に向けたガイドライン」