【運転実践スキル】悪天候時の運転のコツと注意点
雨や強風、雪などの悪天候時は事故などが起こる危険性が高まります。
天候によって道路の状況は異なるため、特徴ごとに細かく対策することが重要です。
この記事では、悪天候時の運転の注意点とコツを解説します。
雨の時の運転のコツと注意点
雨の時は、晴れの時よりも事故発生率が約5倍になると言われています。※1
特に多いのが、「スリップ事故」と「視界不良による事故」です。
では、具体的にどのような点に注意して運転すればいいのでしょうか。
雨の時の運転の注意点
雨の時の運転の注意点は、以下の3つです。
雨の時の運転の注意点1:滑りやすく、停まりにくい路面に注意する
雨の時は、道路が濡れて滑りやすくなるため、ブレーキが利きにくくなったり、カーブでスリップしやすくなります。
マンホールや白線、高速道路のつなぎ目、路面電車のレールなども滑りやすいので、注意が必要です。
特に危険なのが降り始めです。
乾燥している道路に雨が降ると、道路の泥や埃が雨と混ざり、まるで油分をまとったような状態になって、滑りやすくなります。
ゲリラ豪雨の時などは、上記のような状態が瞬時に起こるため、特に注意が必要です。
また、「ハイドロプレーニング現象」も起きやすくなります。
ハイドロプレーニング現象とは、タイヤと路面の間に水の膜ができ、アクセル・ブレーキ・ハンドルすべてが利かなくなり、車が制御不能になる現象です。
ハイドロプレーニング現象は、タイヤの溝が摩耗していたり、速度が速かったりすると起こりやすくなります。
ハイドロプレーニング現象を防ぐには、普段からタイヤの溝が摩耗していないかどうか点検することが大切です。
雨の時の運転の注意点2:視界不良に注意する
雨が激しければ激しいほど、フロントガラスやリアガラス、サイドミラーなどに雨粒が叩きつけられ、視界不良になります。
特に、ワイパーも利かないようなゲリラ豪雨の時などは、数メートル先も見えなくなります。
道路状況が見えずらい時は、安全確認もおろそかになりがちです。
リアワイパーのない車は、バック時には特に注意しましょう。
バックモニターがあっても、雨が強いと見えにくいことがあります。
大雨によって道路状況がわからない状況を回避するには、普段からフロントガラスやサイドミラーにガラスコーティングをしておくのがおすすめです。
撥水効果が高いため、雨粒を弾いて、視界を確保できます。
雨の時の運転の注意点3:歩行者や自転車・二輪車の飛び出しに注意する
急に雨が降り出した時などは、傘のない歩行者や自転車が急いで帰ろうとする傾向があります。
そのため、交差点で安全確認をせずに飛び出してきたり、よく周囲を見ないでいきなり横断してきたりすることがあるため注意が必要です。
また、二輪車も視界不良になり、急いで帰ろうとしてスピードを出してスリップしたりしがちです。
雨の時は、こういった歩行者や自転車・二輪車に十分注意する必要があります。
雨の時の運転のコツ
雨の時の運転のコツは、以下の4つです。
雨の時の運転のコツ1:スピードを出し過ぎない・早めのブレーキを心がける
雨の時は、とにかくスピードを出さないことが大切です。
スピードを出していると、視界もより悪くなり、路面が滑ってスリップしやすくなります。
また、ブレーキが利きにくいため、スピードを出していればいるほど停止距離が長くなります。
そのため、追突事故が増えるのです。
雨の時は、滑りやすさとブレーキの利きにくさを考慮して、スピードを出し過ぎないことや、早めのブレーキを心がけることが重要です。
早めにブレーキをかけることで、ブレーキランプで後続車に減速を知らせることができ、追突を防げます。
雨の時の運転のコツ2:十分な車間距離を取る
雨の時は、ブレーキが利きにくく、停止距離が長くなるため、車間距離を十分に取ることが重要です。
もし前の車が急ブレーキを踏んでも、追突しないくらいの車間距離を空けましょう。
また、後方にも注意して、もし車間距離を詰めてくる車があれば適切な場所で譲る判断も必要です。
雨の時の運転のコツ3:視界が遮られても慌てない
雨の時に、隣を大型車やトレーラーなどが通り過ぎたり、前の車が水たまりに踏み込んだりすると、大量の水しぶきを浴びることがあります。
大量の水しぶきを浴びた時は、一瞬にして何も見えなくなってしまいますが、慌てずに、ワイパーを早めに動かしたり、ゆっくりブレーキを踏んでスピードを落とし、視界と安全を確保しましょう。
また、雨天時は窓ガラスの内側が曇りやすくなり、視界が遮られてしまうこともあります。
窓ガラスが曇った時は、エアコンを外気循環にしてフロントガラスの手前から風が出るように設定し、窓付近に冷気を流すことで曇りを取ることができます。
いずれの場合も、慌てずに、最適な対処をすることが重要です。
雨の時の運転のコツ4:早めにライトを点ける
雨の時は視界が悪いため、自分の存在をきちんと知らせることが重要です。
まだ外が明るくても、早めにライトを点け、自分の存在を知らせましょう。
そうすることで、接触事故の危険を軽減できます。
強風の時の運転のコツと注意点
強風の時は、風にあおられて、ハンドルを持って行かれがちです。
車高が高い車は、特に風の影響を受けやすくなります。
強風の時に運転する必要がある場合、どんな点に注意すればいいのか詳しく見ていきましょう。
強風の時の運転の注意点
強風の時の運転の注意点は、以下の3つです。
注意点1:横風に注意する
風は、前からの風よりも横からの風の方が注意が必要です。
横風を受けると、ハンドルを取られてしまうので、慌ててハンドルを切ってしまい事故につながる危険があります。
特に、軽自動車のバンなど、軽くて車高の高い車は影響を受けやすいので、注意しましょう。
注意点2:トンネルの前後と橋の上に注意する
谷にかかる橋の上やトンネルを通過した直後などは、突風による影響を受けやすいのが特徴です。
特に高速道路でスピードを出している時には危険なので、スピードを落としハンドルをしっかり握って、落ち着いて運転しましょう。
注意点3:大型車に注意する
高速道路などで大型車を追い越す時には、大型車と並ぶと急に風に当たらなくなるため、自分の車が大型車に吸い寄せられるような状態になります。
そして、追い越した途端に再び強い横風を受けるため、ハンドルを取られてしまうのです。
そのため、強風時は大型車を追い越したり、追い越されたりしないようにしましょう。
強風の時の運転のコツ
強風の時の運転のコツは以下の2つです。
コツ1:ハンドルをしっかりと握る
まずはハンドルを取られてしまわないように、両手でしっかりと握ることが大切です。
片手ハンドルやながら運転などはしないようにしましょう。
コツ2:ハンドルを取られても慌ててハンドルを切らない
ハンドルを取られても、パニックになり慌ててハンドルを切らないようにすることが大切です。
ハンドルを取られても落ち着いて、タイヤを真っ直ぐに維持するように心がけましょう。
雪の時の運転のコツと注意点
雪道は、走り慣れていないと怖いものです。
特に、冬に都会から降雪地帯に観光やスキーなどで行く方は、必ずスタッドレスタイヤを履いていきましょう。
しかし、都会で急に雪が降ったりすると、ノーマルタイヤで対応しなければなりません。
雪の時の運転の注意点とコツを見ていきましょう。
雪の時の運転の注意点
雪の時の運転の注意点は以下の4つです。
雪の時の運転の注意点1:滑りやすい路面に注意する
雪の時は、路面が滑りやすくなります。
特に、少し融けた雪が凍結してアイスバーンになると、ブレーキが全く利かないこともあります。
そのため、速度の調整は主にエンジンブレーキを用いて行い、フットブレーキを踏むときは、何回かに分けて少しずつ踏むようにしましょう。
雪の時の運転の注意点2:視界不良に注意する
大雪の時や吹雪の時は、ほとんど前が見えません。
そのような状態の場合は、安全な場所に一旦停めて、様子を見ましょう。
少し降りやんだら、全てのガラス面の雪を全て落とし、十分な視界を確保してから徐行運転をしましょう。
雪の時の運転の注意点3:深夜から早朝、トンネルの出入り口、橋の上に注意する
深夜から早朝にかけての時間帯とトンネルの出入り口、橋の上などの場所は、いずれも凍結しやすいのが特徴です。
そのため、走行するときは十分にスピードを落とし、注意して運転しましょう。
雪の時の運転の注意点4:歩行者や自転車・二輪車に注意する
雪が積もっていると、歩行者の歩く速さが遅くなったり、雪に足を取られて転倒したりすることがあります。
前方を横断している歩行者がいる場合は、早めにスピードを落として、いつでも停まれるようにしておきましょう。
また、自転車や二輪車もいきなり転倒する危険があります。
側方を自転車や二輪車が通っている時には、十分に注意しましょう。
雪の時の運転のコツ
雪の時の運転のコツは以下の2つです。
雪の時の運転のコツ1:スピードを出さない
雪の時は、とにかくスピードを出さないことが重要です。
視界が悪く、路面も滑りやすいため、スピードを出すと事故の確率が格段に高まります。
特に、雪道に慣れていない方は、自分が安全に停まれると思う速度で走るようにしましょう。
雪の時の運転のコツ2:吹雪の時は徐行もしくは一旦停まる
雪プラス強風の吹雪の時は、運転すること自体が危険です。
できれば一旦どこかに停まって、吹雪が過ぎるのを待ちましょう。
どうしても運転しないといけない場合は、いつでも停まれるくらいの徐行運転をしましょう。
悪天候時は、万全の準備をして安全運転しよう
悪天候が初めからわかっている時は、できれば運転を控えるのが無難です。
しかし、それでも運転しないといけない場合は、万全の準備をして出かけましょう。
雪が降っていれば、スタッドレスタイヤかチェーンを巻いてから、豪雨の時などはタイヤの溝を点検して、できればフロントガラスとサイドミラーにガラスコーティング剤を塗る、強風の時は重い荷物を載せるなど、できる工夫はしておいた方が安心です。
そして、いずれの場合も、とにかくスピードを出さず、早めにブレーキを踏むことが重要です。
焦って事故につながらないように、時間に余裕を持って出かけることをおすすめします。
※1:JAF「[Q]雨の日に増えるのはどんな事故ですか?」