高速道路の運転が怖い!克服のためのコツや注意点
高速道路は、一般道よりも速いスピードでの運転が求められるだけではなく、車線変更の頻度が増えるため、高速道路に慣れていない方は怖いと感じる場合が多くあります。
しかし、事前準備をきちんと行い、コツや注意点を押さえることで高速道路での運転を克服することが可能です。
この記事では、高速道路の運転を克服するための8つのコツや注意点を解説します。
高速道路の運転が怖いと感じる理由
高速道路の運転が怖いと感じる理由には以下のようなものがあります。
- スピードが速い
- 車線変更や合流が難しい
- 立ち寄り場所が限られている
- 過去にヒヤリとした経験がある
2019年に日産自動車が行った『高速道路ナーバス実態調査』によると、全国の免許取得者のうち24.3%(4人に1人)が高速道路の運転は「苦手と感じる」と回答しました。
また、「高速道路でのどんな道を走行している時に苦手と感じるか(複数回答可)」という質問には、65.8%の人が「車が頻繁に合流する道」、50.5%が「分岐が多く複雑な道」と回答しています。
この結果から、高速道路を苦手とする人は、特に車線変更が頻繁に発生するような合流・分岐に苦手を感じていることが分かります。
高速道路での運転を克服するための8つのコツ
高速道路では、状況に合わせて臨機応変に速度を変えたり、車線変更したりすることが大切です。
以下の8つのコツを押さえて、高速道路を克服しましょう。
コツ1:スピードとエネルギーを知る
高速道路の通常のスピードは、80~100km/hほどなので、一般道の倍くらいのスピードを出すことになります。
高速道路のスピード感を克服するには、スピードとエネルギーを具体的に知ることが大切です。
どれぐらいの時間でどれぐらいの距離を進むのかを知っていると、自分の車がどれくらいの距離を走っているのかが掴めて、制御につながります。
まず、スピードから見ると、100km/hは、約28m/秒という速さになります。
つまり、1秒間に25mプールを端から端まで横切ってなお余りある速さということです。
次に、エネルギーとは、車の持つ「運動エネルギー」のことです。
運動エネルギーは、速さの2乗に比例します。
つまり、50㎞/hで走っている車と比べると、100㎞/hで走っている車のエネルギーは、4倍にもなるのです。
その分、衝突した時の衝撃は増幅します。
このように考えると、高速道路で事故を起こすことの怖さがより理解でき、安全運転につながります。
コツ2:料金所は中央寄りを通る
料金所を通り過ぎたところで道が分岐することを考えると、どちらの道に行くにも車線変更が少なくてす済む中央寄りのレーンを通過した方が、後からの合流がしやすいです。
ただし、ETCカードのない方は、たいてい一番左寄りのレーンを使わざるを得ないため、右へ行く際には車線変更の難易度が高くなります。
ETCレーンなら徐行で済むのに、一般レーンでは、通行券を取らなければならないため、一時停止する必要があります。
高速道路を使うなら、事前にETCカードを用意しておけばスムーズに料金所を通過することが可能です。
コツ3:本線への合流は加速・タイミングを大事にする
加速レーンに入ったら、思い切ってアクセルを踏み込み、充分に加速することが大切です。
加速しながら、ミラーと目視で本線を見て、どの車の後に入るかタイミングを見極めましょう。
合流する時は、早めにウィンカーを出して、合流の意思をアピールしておくことが重要です。
そうすれば、本線を走る車も、合流してくる車を意識して、速度調節してくれます。
コツ4:本線の走行は一定の速度で走る
本線に入ったら、スピードが怖い人は、一番左の車線を走りましょう。
トラックが多くて怖いかもしれませんが、一番左の車線は80km/hくらいで走っている人が多いので、前の車に合わせて走れば、自然と定速走行できます。
定速走行は、アクセルを一定に踏んでいればいいわけではなく、上り坂では少し強めに踏む、下り坂では少し緩めるなど、微妙な操作が必要です。
わずかな勾配には気づきにくいので、常にスピードメーターを意識して運転するようにしましょう。
コツ5:車間距離はできるだけ長くとる
高速道路では、車間距離は可能な限り長く取るのが鉄則です。
車間距離の目安としては、速度が80km/hの時は80m、100km/hの時は100mです。
雨の日は、上記の倍の長さを取りましょう。
車間距離はできるだけ長くとっておかないと前の車が急ブレーキを踏んだ時に、追突してしまいます。
100m車間距離を空けるには、前の車が通過した地点を3秒後に自分の車が通過するようにすると良いでしょう。
車間距離の確認方法には、以下のようなものがあります。
- 車間距離確認の標識で測る
- 白線と空白の長さで測る(白線8m+空白12m=20m)
状況に応じて上記のような測定方法を活用しましょう。
コツ6:追い越し・車線変更は余裕を持って行う
ある程度慣れてきたら、遅い車がいれば追い越したくなったり、分岐のために車線変更したりする必要も出てきます。
追い越しや車線変更は、「今、車線変更したい」と思っても、車の流れによってはすぐにできないことも多く、無理に車線変更すれば、他のドライバーの迷惑になったり、最悪事故の原因になったりしてしまいます。
追い越しや車線変更は、車の流れをよく見ながら、余裕を持って行うようにしましょう。
車線変更をする際は、早めにウィンカーを出して、他の車に意思を示すことが重要です。
追い越し車線に入る時は十分に加速し、余裕を持って車線変更できるタイミングで走行車線に戻りましょう。
コツ7:出口を下りる時は2㎞手前で左車線に入る
初めから左車線を走行している場合は問題ありませんが、中央車線や右車線を走行している場合、出口まで2㎞の標識を見かけたら、できるだけ早く左車線に車線変更しましょう。
もし、分岐のギリギリ手前までに左車線に入れなかった場合は、そこで降りることをあきらめ、次のICまで行くようにしましょう。
無理に車線変更しようとすると、事故につながる可能性が大きいからです。
出口に近づいたら余裕を持って左車線に寄り、流れに乗ってスムーズに分岐できるよう心がけましょう。
コツ8:出口、SA、PAに入る時はとにかくスピードを落とす
出口は、分岐から料金所に向けてカーブになっているのが一般的です。
カーブに差し掛かった時にスピードが落とし切れていないと、しっかりカーブできず事故につながります。
分岐を過ぎたら強めにブレーキを踏んでしっかり減速しておきましょう。
また、SAやPAに入る時も同様に、分岐に入ったら、一気にスピードを落としましょう。
SAやPAによっては、分岐から駐車場までの距離が短い場合もあるので、しっかりスピードを落としておかなければ危険です。
特に、小型車(普通自動車)が手前で曲がるようになっている駐車場では、曲がりそこなうことがあるので、要注意です。
コツ9:休憩はこまめに取る
慣れないうちは、高速道路の運転は緊張します。
緊張すると、手足がこわばってくるので、いざという時に繊細な操作ができないこともあります。
そのため、慣れないうちは、1時間に1回は休憩を取りましょう。
ある程度慣れてきても、高速道路の運転は身体が緊張しているので、疲れやすくなります。
1.5〜2時間に一度休憩を取るのがおすすめです。
休憩時は、車を降りて外の空気を吸ったりトイレに行ったりして、リフレッシュしましょう。
高速道路を運転する際の注意点
高速道路を運転する際の注意点は以下の2つです。
注意点1:悪天候時は状況に合わせて運転する
高速道路では、状況に合わせて臨機応変に速度を変えたり、ヘッドライトを使用したりすることが大切です。
悪天候時は速度を控え、もしもの時に対応できるように備えましょう。
特に注意が必要なのは、以下のようなケースです。
雨の日
雨天時に高速で走行すると、タイヤと路面の間に水膜が形成されます。
その結果、タイヤが路面から浮き上がる「ハイドロプレーニング現象」が発生する可能性があります。
ハイドロプレーニング現象が起こると、ハンドルやブレーキが効かなくなり、重大な事故につながるため注意が必要です。
雨の日は速度を落とし、車間距離を十分にとりましょう。
強風の日
強風の日は、特にトンネルの出入口や橋の上などで横風の影響を受けやすくなります。
トンネルの出入り口や橋の上などでは、速度を落とし、ハンドルをしっかり握ることで、風による車体のふらつきを抑えることができます。
濃霧・豪雨などの日
濃霧や豪雨などで視界が悪い場合、早めにヘッドライトやフォグランプを点灯し、自分の車の存在を他のドライバーに知らせることが大切です。
また、視界や道路状況に応じて安全な速度に減速し、デリニェーター(視線誘導標)や白線を確認しながら慎重に運転しましょう。
注意点2:トンネル進入時は視覚の順応に時間がかかる場合がある
トンネル進入時は視覚的な錯覚が発生しやすく、視覚的な錯覚が原因で事故が起こる可能性があります。
事故を防ぐためには、前方の道路状況に注意し、車間距離と速度を適切に維持することが重要です。
進入前には速度を落とし、視覚の順応を待ちながら走行しましょう。
まずは実際に走って経験を積もう!
高速道路が怖いと思う人の中には、実際にはあまり走ったことがないという人も多いでしょう。
今回お伝えしたポイントを意識して、何度か実際に走って経験を積めば、いつの間にか恐怖心も消えているはずです。
高速道路での運転を克服して、ぜひロングドライブに挑戦してみてください。